生活保護 扶養義務を解説~範囲や親兄弟に連絡されるのか?

生活保護を申請した際に調査される扶養義務について説明します。



生活保護の扶養義務とは?



簡単にいえば、「生活保護を出す生活の困窮をしている人は、生活保護を受ける前に



親や兄弟や親せきから仕送りや援助を受けてください」という意味です。



親戚や兄弟に「〇〇さんが生活保護の申請を出してますがあなたは援助できませんか」といった趣旨の書類を申請の際に送ります。



扶養照会という書類です。


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「仕送りします!」と親戚が手をあげればその分の生活保護費は減らされます。



もし仕送りの金額が、最低生活費を超えるくらいたくさんしてもらえるのなら、生活保護は必要なくなりますから申請は却下となります。


(現実的にはほとんどないでしょうが。援助の金額の平均は1万円以下と言われています)




仕送りは強制ではない



この扶養義務ですが、書類が来た親戚や兄弟は『必ず援助しなければならない』と強制されるものではありません。




法律では


生活保護法 第4条2項


民法に定める扶養義務者の扶養および他の法律に定める扶助は、すべての法律による保護を優先して行なわれるものとする。



としています。



つまり生活保護を受ける前に「優先される」だけであって


生活保護を受ける条件に加わっているものではありません。援助は強制ではありません。




「援助してもらえそうなら、生活保護を受ける前にしてもらってください」という意味です。



援助の依頼をして断られればそれで終わりです。



福祉事務所が「〇〇さんに援助お願いしますね」と強制する権限はもっていません。



仕送りができないのなら「できない」と書いて返送すればそれで終わりとなります。



逆に一時的な同情や見栄から本当は援助するほど余裕もないのに、「仕送りします」と書いてしまうと



その分の生活保護費は減らされてしまいますからそこは理解しておきましょう。




家族に知られたくないは難しい、申請時に扶養照会は出される



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家族や親せきに書類がいけば「なんだ生活保護を受けるぐらい貧しいのか」と親や兄弟にそう思われてしまうのが恥ずかしい。



確かにそうかと思いますが、ここを耐えれば自立へ近づけますし、これ以上やっていけないと思っているから申請を出すのですからここは耐えなければなりません。



嫌がらせのように、三親等内だからといって、何十年と会ってもいない叔父や叔母の縁者に書類をバンバンと送られてしまうケースもありました。



扶養照会は、「戸籍で扶養できそうな親戚がいそう」な場合でも、『依頼書』のように送られてしまうといった傾向があります。



ですが「家族はいません。天涯孤独です!」と役所に伝えても、戸籍をもとに役所は親戚や身内を調べますから


それは通用しません。


嘘をつくと不正受給をするのでは、と勘繰られますからしないようしてください。




扶養照会の書類は無理に全部書く必要はない



依頼書が来た家族の方に届く書類には


・自分の年収


・家族構成


・援助できない理由


など書く項目があります。教えたくない情報があるのなら個人情報もありますから


無理に全部書く必要はありません。



「援助できない」旨を記入して返送すれば、それで扶養照会の目的は果たせます。




福祉事務所へはこう伝える



福祉事務所によっては面談の際に


「援助ができないかどうか、兄弟や家族に書類を書いてもらってきてください」と言われるかもしれません。



「えっ直接自分で書いてもらわないとダメなの。疎遠な身内に会いたくないし」と思うかもしれません。



扶養照会は本人が直接に手渡しで書いてもらう、といった規則はありませんから


「何年も家族とは会ってなくて疎遠ですから、住所を調査して事務所から書類を送ってください」


と伝えましょう。




〇いくら仕送りすればいいのか


法律では


社会通念上、それらの者が社会生活にふさわしいと認められる程度の生活を損なわない程度の扶養が限度




ようするに、常識的に考えた程度の金額です。仕送りをすることで兄弟の方の生活ができなくなる、



そんな他人に仕送りをする余裕がない、ということであれば断ってもかまわない、と解釈できます。

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