障害年金 初診日が不明・変更は?【証明できない時の方法】


支給となる条件の1つに


・初診日の確定


があります。



しかし人によっては「16年前からの病気だ」と、


・あまりに時間が過ぎていて初診日が分からない



・色んな病院をハシゴしていたからどこが最初か分からない



・最初にかかった病院が閉院していた。もう存在しないから初診日の証明ができない



といったケースもあります。どのような対応法があるか、また「初診日の変更」することができるかを 解説します。まずは結論からです。




初診日が確定しないと  → 障害年金をもらえない

・不明でもまだやり方はあるから諦めない

→受診状況等証明書を添付できない理由書+客観的資料で

・初診日は変更できるか  → できない



障害年金の申請の際には、初診日の証明が必要となります。



通常であれば受診状況等証明書という書類を出せばすみます。



・初診日の証明

 ↓

・年金事務所に、受診状況等証明書という書類を提出


・受診状況等証明書には、初診日を書いてもらえる


・医師の署名捺印もしてもらえる


しかしずっと同じ病院ではないケース  



今かかっている病院とはちがう医療施設なら、初診日を確定させるを証拠となる書類が必要となります。



カルテが残っていれば話が早いです。


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しかし中には徐々に症状が悪化して、初診日からすごい時間が経過したとか



病院が廃業した、その当時のお医者さんが高齢ですでに亡くなっていた


などがあります。



そうすると初診日を証明するカルテがすでに捨てられた場合がありますね。




結果として


・初診日が確定できないと手続きが進まない・認定が難しいので障害年金はもらえない


となります。これではあまりに残念です。




では捨てられた場合、絶対にもう受給できないかというとそうではありません。



・受診状況等証明書を添付できない理由書+客観的資料




を提出することで初診日を確定させて障害年金をもらえることだってあります。




これらについて下で解説していきます。



また基本的には「初診日の変更」は認められません。



カルテがないから「こっちの日にしてくれ」では「初診日」の定義とは違ってきます。




あくまで初診日は「その障害の原因で、何かの症状が出て最初に医師に診察してもらった日」です。



カルテがないのは自分の責任ではありませんが、都合よくは変更できません。




カルテがないなら

①受診状況等証明書を添付できない理由書+②客観的資料 を用意する



上の2つの書類を用意することで確定させられる道が残されます。



①受診状況等証明書を添付できない理由書



簡単にいえば


「なぜ受診状況等証明書を出せないのですか?代わりに何で証明をしますか」


を記入させる書類です。



日本年金機構や市町村のHPにフォーマットが用意されています。以下はPDFファイルです。



→受診状況等証明書を添付できない理由書



これを記入します。そしてもう1つは



②客観的資料




こちらはカルテ以外で何か受診したのを証明できそうな、証拠として固そうな書類


のようなものです。



これらのどれかを何とかして見つけ出し、初診日が分かることを証明できれば


年金機構で初診日と認定してもらえます。他には


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レセプト、確定申告の際の資料の領収書、診察券などの証拠になりうる



証拠になる書類は入院記録や健康診断の記録以外にも 自分で勝手に書いたのではなく、何か公的もしくは客観的に証明ができれば可能性が残されます。




レセプト(診療報酬証明書)



病院が国や健保協会に医療費を請求する時の書類です。



協会けんぽ、健康保険組合、国民健康保険なら市町村にレセプトの開示請求をすれば 残っている可能性があります。病院名や通院した日が書いてあります。




・協会けんぽ レセプト開示請求 参考



・例  

→墨田区案内


10年以上前の記録があり初診日が確定できたケースもあります。



確定申告の際の医療費控除につけた明細書



もし自営業で医療費控除をしていたら確定申告の際に


一緒につけた明細書が証拠になる可能性があります。



税理士事務所に確定申告を頼んでいるのなら保存していないか確認しましょう。




診察券や紹介状や領収書



病院が特定できていつつ、カルテが破棄されていた場合に



その病院の診察券や支払いをした領収書が証拠となる可能性もあります。



何か残っていないか探しましょう。




カルテの保存期間は5年間



病院は患者さんの病気の記録のカルテを、最後の通院から5年間は保存しておく、と法律で定めています。



初診日になりそうな病院に行ったのが5年以内であれば、難しくなくカルテが見つかり


初診日が確定できることが高いです。



しかし5年以上経っていると、病院のスペースの問題から破棄されることもあります。



電話をしても「ない」と言われるのは、5年以上経っているケースが多いです。



5年以上たっていても記録を残している病院もあります。



・病院内ではなく、別な保管場所に置いてある


・5年ではなく、もっと長い期間残しておく



など個別に5年以上カルテを残す病院もあります。




社会的治癒が認められればもらえる可能性がある



社会的治癒についてはこちらで解説します。



もし過去に通った病院での初診日が特定できない場合に、



もっと新しい日時で初診日の特定できて、それが認められれば良いですね。




古い初診日と、新しい日付の初診日の間に、元気で社会で働いている期間があれば



社会的治癒によって、だめだと思った障害年金がもらえる可能性があります。




社会的治癒とは、おおよそ5年程度の期間、社会復帰して普通に生活できていれば例えば


、たとえ癌が再発としたとしても、再発した日を新たな初診日にする、という考え方です。



他にも細かい条件があります。 




今後は初診日不明は少なくなる可能性もある

 →マイナンバーを活用して医療ID制の導入も



カルテを5年しか残さない、というのは短すぎると思いますし



法律では問題なくとも大切な記録を破棄されるのは、障害年金の請求においてデメリットが大きいです。



・紙のカルテでなく、電子カルテでデータにすれば破棄する必要はない


ですし



・病院ごとにデータを共有できるようになれば、いちいち昔通った病院に問い合わせる必要もない


と思います。




マイナンバーの導入で、この道に光があたるやもしれません。





新制度ではカルテやレセプトを管理するための医療番号を新たに作る。医療番号はマイナンバーとシステム上、連動する仕組みだ。

医療番号とカルテをひも付けるにはカルテの電子化が必要だ。

出典



政府は20年を目標に電子カルテの導入の拡大を目指しています。



もしマイナンバーとひもづいて、医療のIDができれば、どの病院にいつ通ったかが



子供の頃からすぐに分かりますから、カルテが破棄された、初診日が確定できない


といった問題も少なくなるやもしれませんね。


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